急性硬膜下血腫

スノーボードの転倒やボクシングのアッパーカットによる頭部打撲によって、急性硬膜下血腫による死亡事故、後遺症事故が後を断ちません。数は少ないですが合気道においても同様の事故が発生しています。報告により幅がありますが、急性硬膜下血腫による死亡率は57~90%で、命が助かっても植物人間になる確率が非常に高く、恐いものです。

最近の研究で、この急性硬膜下血腫は頭部に直線的な加速度による衝撃を加えるよりも、回転方向の加速度を加えることによって発生することが知られるようになりました。この発生メカニズムは、スノーボードの転倒や合気道の投げによって頭部に加えられた回転が、柔らかい雪や畳に打ちつけらることにより急激に減速され、頭蓋骨と一緒に回転が止まる硬膜と慣性モーメントによって脳と一緒に回転し続けるくも膜との間でズレが生じることによるものです。すなわち、この時に硬膜とくも膜を架橋している静脈が伸長されて破綻(断裂)し、硬膜下腔で出血するために発生するものです。ボクシングのアッパーカットの場合は、逆に静止し続けようとするくも膜(脳)と回転加速度を加えられた硬膜(頭蓋骨)との間のズレが原因になっています。柔らかい畳だからと安心できないことを認識する必要があります。

硬膜下腔に生じた血腫(血の塊)が、脳を圧迫するため、頭痛、吐き気、手足のしびれ、眩暈(めまい)などを経て意識を消失したり、いびきをかいて昏睡状態に陥ったりします。普通は、頭を打ってから数分、数時間あるいは数日と時間が経ってから発現しますが、激しい場合は、受傷直後から意識消失に至ることもあります。
頭部の回転加速度の強弱、作用する時間、あるいは与える衝撃の回数などの因子により、脳に与えられた衝撃がある一定のレベルに達すると脳震盪が発生し、更に強い条件で硬膜下血腫へと発展していくという実験デ-タ-が得られています。

合気道でも、大学で新入部員が後方反復受身の単独練習を行っていて、何百回となく繰り返すうちに自分で後頭部を畳に何度も打って急性硬膜下血腫になった例がありますので、決して強い打撲でなくても頭を打つことは避ける必要があります。意識消失や昏睡状態になった時は、脳の圧迫が進んでいて、脳の組織が壊死してしまうので、手術で血腫を除去しても命が助からないか予後不良になります。100 mlを超える出血があると死亡するといわれています。
なお、この架橋静脈の破綻は、後頭部を打撃したときには、架橋静脈の伸長度合いの大きい側頭葉や前頭葉に発生します。

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