八千代市合気道連盟の沿革:八千代市体育協会40周年記念誌(2007年発行)抜粋

八千代市合気道同好会の発足

合気道は、植芝盛平先生が、日本古来の幾多の武術の修練を基礎とされ、更に人格的研さんを加えて創始された新しい武道である。これが一般に公開されたのは戦後で、ようやく昭和30年代になって、大学の中の同好会や、全国各地に支部がつくられるに及んで、徐々に一般にも認識されるようになってきた。

八千代市合気道連盟は、昭和58年10月29日に「八千代市合気道同好会」として発足した。当時、職場の同好会で修行を積んでいた乾泰夫氏が、大学の合気道部の後輩である小林修氏と協力して、修練によって自己の人格の向上を求める精神性の高い合気道を八千代市の青少年のために開放したいと考え、稽古の場として市民体育館を借りて活動を開始したのが最初である。

子供6名、大人7名で発足したが、現在も活躍している落合博美氏、林輝明氏らが相次いで入会し、指導陣に、習志野市役所や習志野市合気道クラブで指導に当っていた吉川滋氏が加わった。当初は、5歳から50歳代の年齢幅の広い人達が一緒に稽古をするという方式をとっていた。

昭和59年には大学合気道部出身の平林一央氏、津田修氏が加わり、指導陣も整い、少年部を切り離して指導ができるようになり、内容も充実してきた。そして、8月には、財団法人日本武道館及び公益財団法人合気会主催の「全日本少年武道(合気道)錬成大会」に参加し、その後、平成18年まで23年連続して参加している。

八千代市合気道連盟に改称

昭和59年10月7日に、上部団体である千葉県合気道連盟が結成されたので、これに加盟し、同時に同好会を「八千代市合気道連盟」と改称した。県連盟には、理事として、乾氏、吉川氏が参画し、最初の県連盟の演武大会にも団体として参加した。

昭和60年4月1日に、八千代市体育協会加盟が認められ、11月17日に、秋季八千代市市民体育大会参加の第1回合気道演武大会を開催した。合気道は、試合を行わない武道であり、修練の成果を演武よって発表するが、この時から平成18年まで22回の演武大会を開催した。また、これに付随した、一般市民に合気道を体験してもらうための無料体験教室も開いてきた。

八千代市合気道友会の発足

平成元年6月8日に、八千代台近隣公園小体育館の完成と同時に、吉川氏を指導者として「八千代市合気道友会」が発足し、小体育館を稽古場所とするようになった。この時から市民体育館を稽古場所とする団体は、「八千代市合気会」と称することになり、この二団体が、八千代市合気道連盟傘下の活動団体となり、組織的な発展を遂げた。

それぞれの団体で一般部の人数も増え、平成2年には、八千代市合気会が初めての夏期合宿を開催し、平成3年には、八千代市合気道友会も夏期合宿を開催するようになった。

特に平成4年には、現在、指導部で活躍している鈴木雅美氏、菅原勝徳氏・弘子氏、高梨重亮氏ら7名が揃って加わり、一般部も活況を呈するようになった。

創立十周年以降

平成5年11月23日には、発足以来顧問をお願いしてきた公益財団法人合気会本部道場の増田誠寿郎師範をお招きし、創立十周年記念演武大会を開いた。そして、県連盟や近隣の柏市、船橋市、鎌ケ谷市などの各連盟からも賛助演武をしていただいた。この時点で、稽古を続けている会員数が80名を超えるようになった。

平成6年1月15日の財団法人日本武道館の鏡開き式では、県連盟が優良団体表彰を受け、市の合気道連盟も受賞者演武に出場した。

平成7年5月27日の第33回全日本合気道演武大会には、初めて八千代市合気会が演武を行い、翌年からは八千代市合気道連盟として連続出場している。

平成11年8月2日の全日本少年武道(合気道)錬成大会で、「平成11年度少年武道優良団体表彰」の栄に浴し、少年部も40名を超えるようになった。この頃から、少年部も急激に人数が増え、平成14年には85名を超えるようになり、危険防止を考えて、二部制に移行した。

創立二十周年以降

平成15年11月16日の創立二十周年記念演武大会には、少年部出身の大学合気道部員が参加するようになった。この年には少年部が90名を数えるようになり、全体で190名を超える会員が稽古するようになった。

平成16年3月27日には、増田師範の講習会が市民体育館で行われ、以後毎年恒例の行事となっている。11月3日には、フルルガーデンで行われた 「市民活動サポートセンター」主催の「第1回こんにち‘わ’ふれあいまつり」に出展し、デモンストレーションで演武も行った。これも、平成18年まで連続で参加している。

合気道は、修行の主眼を自己の完成に置くため、試合がなく、したがって特筆すべき成績等はないが、稽古を続ける者の生活に影響を与える形で、それぞれの心と体にしっかりと根を張っている。学校でいじめられそうになった時や道で大人に悪戯されそうになった時に、合気道の技で難を逃れた子供達の話を聞く。これもうれしいことではあるが、子供達が、毎朝ご両親に、元気に「おはようございます」と言って一日を始められていることを、もっとうれしく感じている。

平成20年には創立二十五周年を迎えるが、「合気にてよろづ力を働かし美しき世と安く和すべし」の言葉によって、草創期以来、他人のために自己を犠牲にしてこられた指導員や役員の方々、和合一致の精神をよき伝統として受け継がれてこられた会員の方々がいて今日があることを感謝したい。今後、更に精進し、合気道修行による徳の高揚を目指すとともに、次代を担う青少年の育成に力を注ぎたい。