用語 意味
過現未(カゲンミ) 過去・現在・未来。
「人間の生命も始めなく終わりなく、過現未を一貫して生き通しているのであります。」(開祖)
火水(カミ)と水火(イキ) 「火水(かみ)というのは体(物事の中心)であり、水火(いき)とは用(働き)であります。」(開祖)
気(キ)の妙用(ミョウヨウ) 言霊の妙用。
顕斎(ケンサイ)、幽斎(ユウサイ) 顕斎は、宮、社、祝詞、供物、御幣(みてくら)が有って、天津神、国津神、八百万の神々を祭る祭祀(儀式)、幽斎は、霊魂を以て祈り奉る道。
鎮魂の行も幽斎修行。
顕幽神(ケンユウシン)の三界(サンガイ) 顕界(けんかい、現象界、肉体・物質として現れている物の世界)、幽界(ゆうかい、目に見えない世界又は人間の潜在意識)、神界(しんかい、天界、魂の世界又は怒り・憎しみ・妬みのない最も純粋なエネルギ−)。顕幽神三界の統一とは、顕(行動、体)、幽(感情、心、心霊)、神(思考、気、神霊)の三つが最高に調和した状態をさし、また、そのような状態により、見える世界、見えない世界及び神の世界を整える意味ととることが出来る。
大本教では、霊界には神界と幽界があって、神界は正しき神々や正しき人々の霊魂の安住所で、幽界は邪神の集まる所であり、悪罪者の霊魂の堕ち行く所と教えている。
開祖は、顕界・幽界・神界を三千世界と言い、幽界を仏教の世界と言っていることもある。
言霊(コトダマ) 霊の働き。宇宙創造、万物の生成化育は言霊の力による。
「宇宙は言霊の働きによってできた。初発(はじめ)は75声(50音に濁音、半濁音を加えた音)の中心のス(主)声で、全てはこれから生み出されたとされる。言霊とは、言葉に霊威があるということで、善い言葉を発すればその言葉どおりに善い事が現れ、悪い言葉だとその逆になるという信仰に基づいている。キリスト教の「すべてのものはこれ(言葉)によってできた」という教えやギリシア哲学のロゴスという考え方と通ずる。」(大本言霊学)
「宇宙の大元霊は唯一絶対の神であり『主(ス)神』または『主(ス)の神』ともとなえる。大元霊のはたらきは火(霊)と水(体)とにわかれ、その本体を火水(カミ、神、霊)といい、水火のはたらき(用)を水火(イキ、息、生命のあらわれ)という。イキによって言霊を生じ、言霊によってさらに霊の動き、はたらきがあらわれる。霊のはたらき、すなわち言霊である。・・・また言霊学(げんれいがく)的にいえば、言霊の神力によって宇宙は創造せられ、万物は生成化育しているということになる。」(大本七十年史)
開祖が言霊学を学んだ出口王仁三郎は、本田親徳(ちかあつ)と大石凝真素美(おおいしごり ますみ)の影響を受けている。本田は、本居宣長の門人、平田篤胤(あつたね)の影響を受け、大石凝は、中村孝道の「七十五声は即ち天地の声」説に山口志道の「天地の水火(かみ)と人の水火(いき)は同一」という象徴図形・火凝霊(かごたま)を加えて自らの言霊思想を打ち立てた。平田は、もともと多神教的、現世的な神道に、一神教的、未来教的性質を持ち込み、日本の神を世界の太宗とする信念を確立した。平田の言霊学はウ声を根本とするが、中村はス声に着目している。大石凝は、75声を十八稜図に表し、ス声とマルチョン(○にゝ「ポチ」)を中心に置いた。
開祖は、言霊は一音多義【例:ヒは、火、日、霊】であるという流れなので、同じ言葉に多くの重層した意味がある。そのためか、「『古事記』には12通りの読み方がある」「『霊界物語』は、36通りの読み方がある」(出口王仁三郎)と言われている。
言霊(コトダマ)の妙用(ミョウヨウ) 言霊のすぐれた働き。気の妙用ともいう。創造の力のすぐれた働き。
開祖は、言霊にはひびきがあり、働きがあるとし、この働きによって宇宙が出来たと説明している。
「言霊の妙用は一霊四魂三元八力の分霊分身である。」(開祖)
造化三神の御稜威を表す天(あめ)の数歌という神詞(かみごと)即ち言霊【ひと(一霊四魂)、ふた(八力)、み(三元)、よ(世)、いつ(出)、むゆ(燃)、なな(地成)、弥(や)、凝(ここの)、足(たり)、諸(もも)、血(ち)、夜出(よろづ)】を唱えることで、創造の力を得ることが出来る。
一〜十は天地創造の七日間を、百千万(もも、ち、よろず)は天御中主神、高御産巣日神、神御産巣日神の造化三神を示している。
一(一霊四魂):大宇宙の根源に大元霊があり、一霊のもとに勇親愛智の四魂を統べておられる。
二(八力):真神のいとなみである陰陽二元の組み合わせによって八力が生ずる。
三(三元):八力の複雑微妙な結合により、剛・柔・流の三元が出来る。
四(世):遂に泥海のような世界が出来る。
五(出):日月星辰や大地が現れる。
六(燃・萌):草木をはじめ諸生物が萌え出でる。
七(地成):人類が生まれ、地上の世界が成就する。
八(弥):その世界がますます発展する。
九(凝):充実安定を表す。
十(足):完成の域に達する。
金剛不壊(コンゴウフエ)の珠(タマ) 真澄の玉、青玉。金剛不壊の如意宝珠
ダイアモンドのように透明で、空の気(物の気)を解脱して自由自在に動くタマ(かたまり)。如意宝珠は、円転滑脱、些かの障碍もなく、自由自在に転ぶ玉。
魂(コン)の気(キ)、魄(ハク)の気(キ) 魂の気は真空の気、魄の気は空の気。
「魂の気というのは、宇宙組織の気である。造り主の事である。」「魄は物の霊を魄という、宇宙組織のタマのひびきが魂である。」(開祖)
中国の道教では、魂は精神を支える気、魄は肉体を支える気。
魂(コン)の比礼振り(ヒレフリ) 空の気を解脱して、真空の気に結んだ技。
「魂の比礼振りは、あらゆる技を生み出す中心である。その比礼振りは融通無碍で、固定したものではなく、臨機応変、自由自在の技である。」 「空の気は引力を与える縄であります。自由はこの重い空の気を解脱せねばなりません。これを解脱して真空の気に結べば技が出ます。」(開祖)
上代、主に女性が首から肩にかけて長く垂らした薄い白い布を比礼(領巾、肩巾、ヒラヒラするものの総称)といい、呪力を持つと考えられ、魔よけのために振った。
「邪心をはらい清めた精神状態」と説明されているが、それよりも動きがある、真空の気と空の気の結びによる自由自在の技と考える。

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